こちらでは都議会定例会の報告等をいたします。

平成21年第1回 定例会の報告》


米国にその端を発した金融不安は今や世界を巻き込んだ底の見えない経済危機に発展してしまいました。わが国に於いても自動車産業をはじめ大手の企業の中には契約社員に対する派遣切りや雇用止めといった様々な形での雇用への不安が日本列島を覆っています。この東京でも雇用不安ばかりか中小・小規模企業における景気への不安が一層大きくなっています。都議会公明党はこのような不安に対して様々な観点から対策を講ずるよう都へ要望をしました。例えば、50万人の雇用対策、公共事業の前倒し、職を失った方々への就職支援チャレンジ制度の創設、障害者雇用の更なる充実などなど。その一方、春を前に明るい話題も。その代表例が定額給付金の実現であります。マスコミもあちこちの自治体で給付の姿を報道するなど日本列島に一足早い春が来たような感が致します。では今までのマスコミの批判的な報道振りは一体何だったのかといった声が聞こえてきます。公明党の庶民からの発想の政策は間違いのないものだという事の証左でありましょう。

それから民主党代表・小沢一郎氏の見苦しい記者会見の行方がどうなるのか私のみならず国民が注目しています(3月6日現在)。


【はじめに】

よもや、これほど閉塞感に満ちた年になるとは誰も想像しなかったに違いありません。

それほどに現在の不況は深刻であります。知事の施政方針表明ではありませんが、人々は先行きを見通すことができず、まさに、不安と危惧、いら立ちを募らせています。昨年末から年明けにかけて、私は何人もの人から、「日本、あるいは東京の将来展望を示せ」と迫られました。景気対策や中小企業支援、環境、福祉など当面する課題への対処はもちろん重要ですが、それとともに不可欠なのは、閉塞感を打ち破るに足る先行きへの展望であります。

一つには、東京の新たなまちづくりであります。下水道を例にとると、長年かけて100%普及・概成に至った一方で、初期に整備した施設は既に更新工事が必要となったことに象徴されるように、折しも東京は、全ての都市インフラや施設の更新時期にこれから差し掛かろうとしております。

今後、10年、20年、30年をかけて、都市の更新という新たなまちづくりが不可欠となりました。そうであれば、後藤新平氏の構想を矮小化してしまった過去の過ちを繰り返してはなりません。底の知れぬ深刻な不況の今こそ、改めて、大都市・東京の更新という前代未聞の大事業に対して、防災、環境、福祉という新たな観点を加味した、あり得べき東京の将来像を思い描いて都民に提示すべきであります。知事の所見を伺います。

そして、もう一点は、国や自治体、あるいは社会総体の統治、運営のあり方についての展望が必要です。地方分権との言葉に手あかがついてしまった現況は残念でなりません。市町村合併も最近は、その負の側面がより多く指摘されております。国の統治のあり方から根本的に見直すためには、もはや単なる分権論ではなく、いわゆる道州制の導入を前提とした議論を前に進めるべきであります。ある意味で、道州制の議論は、東京都や23区、そして多摩の市町村にとって一種のタブーでありました。しかし、時代を画するほどの経済変動に直面した今、それを超越するためにも、国と自治体のあり方を根源的に見直し、将来の東京のあり方の展望を示すべきであります。司馬遼太郎氏は、かつて繰り返し日本は太政官政府から一歩も脱皮していないと指摘しました。そうであるならば、自治体の雄としての東京から、太政官政府を超えた国と地方のあり方を発信すべきであります。知事の見解を求めます。


【財政問題について】

一橋大学の教授であった経済学者の野口悠紀雄氏は、日本の不況は単なるサブプライム問題の波及ではなく、戦後長く続いた日本経済の構造的な歪みが原因であり、それを解決しない限り、簡単には経済の再生は不可能との見解を示しています。もしもそうであるならば、現在の不況は循環論で捉えてはいけないことになります。もちろん一日も早く不況を脱却する努力を全力で展開すべきでありますが、都財政をあずかる観点からは、楽観的な見通しは排除してかかるべきであります。

その意味で、一般会計は対前年度比3.8%減としたものの、政策的経費である一般歳出を2.9%増の4兆5422億円とし、しかも、財源として活用可能な基金残高を1兆3880億円としたのは、評価すべきであります。当面の福祉・医療対策、雇用、中小企業支援、さらに必要な都市インフラ整備にも予算を配分し、生活の安全・安心、都市機能の拡充を着実に進め、その一方で、来年度以降の財政にも目配りを利かせていると我々は判断いたします。

これを可能としたのは、都並びにわれわれ公明党を初め議会が推進してきた行財政改革であり、また基金の積み立て努力であります。

しかし問題は、繰り返しますが、新年度はもちろん、それ以降であります。

21年度予算編成における基本的な方針、並びに今後の都財政の見通しをベースとした都政運営の在り方について、まず、知事の見解を伺います。

振り返って見れば、石原知事が就任された10年前、都財政は瀕死の状態にありました。そこで、我が党が提案した新たな公会計制度などを知事が積極的に取り入れ、合わせて堅実な財政運営を行うことにより、難局を乗り切ってまいりました。今後は、より以上に、都民生活の向上に直結する施策の着実な実施と、それに必要な財源確保策を同時に達成させる努力が不可欠であります。公会計制度のより高度な活用を図るなどの工夫が必要となりますが、効果的な施策の実施と財源確保の両立について、都の見解を伺います。

次に、「10年後の東京」への実行プログラム2009について質問いたします。

冒頭、今こそ東京再構築の長期展望を示せと申し上げましたが、すでに都は「10年後の東京」計画を提示し、その実行プログラムも2008年版から2009年版へと改定いたしました。私が必要と訴えた長期展望は、もうすこし息の長い、20年、30年、50年先の東京を視野に入れた将来像の提示を意味します。当然、それには時間がかかり、その間はこの「10年後の東京」計画が重要になります。そうした前提で、特に申し上げたいことは、現在の深刻な経済状況を踏まえて、前倒しが必要なものは大胆に取り組むべきであるということであります。これまでも障害者雇用の1万3000人確保や、インターネットカフェ等で生活する人を支援する相談窓口の創設などの成果を挙げてまいりましたが、新型インフルエンザや、医療、雇用、中小企業などの危機に対して、果敢に挑戦していくべきであります。知事の決意を伺います。

さらに、都内の渋滞解消、また、生活道路への大量の車の侵入防止に大きな効果があり、同時に景気・雇用対策、仕事確保にも効果が期待できる外環道の整備も重要であります。

国もいわゆる国幹会議開催の検討に入ったと報道がなされ、40年遅れの事業にもようやく先行きのめどが立ちました。既に答弁が出ておりますが、上下の分離など、住民の理解を得ながら、事業に着手していくことを強く求めておきます。


【中小企業支援策】 

次に、中小企業支援策について質問いたします。

現在、地域経済を支える中小企業は、急激な景気悪化に見舞われ、受注の極端な減少、目途が立たない資金繰りなど、まさに存亡の瀬戸際に立たされています。

特に、昨年秋から国が実施している緊急保証制度でも対象から外れる中小企業が深刻な状態に追い込まれています。例えば、急激な売り上げ減少により止むなく返済条件の緩和を行った企業や、また、信用保証協会の保証枠を使い切ってしまった企業などは新規の融資を受けることができません。

こうした中で、都が平成21年度予算案に、新規事業として盛り込んだ「地域の金融機関と連携した新たな金融支援策」に対しては、大きな期待があります。制度の目的は、あくまでも従来の融資制度では対象外となった中小企業などに資金を供給するものでなくてはなりません。都の見解を求めます。

また、景況は、今後、さらに悪化する可能性が高いといえます。したがって、この新たな融資制度の発足を急ぐべきであります。都の見解を求めます。

第二に、中小企業設備リース事業についてであります。都は、先の補正予算において「中小企業設備リース事業」を創設しました。現在、設備リースの対象企業を「従業員100人以下の中小企業」に限っています。しかし、設備投資を拡大させるには、対象をさらに広げる必要があります。

また、この事業によって中小企業の省エネ設備の導入が進めば、個々の中小企業のエネルギーコストの削減だけでなく、地球温暖化防止にも貢献することになります。こうした観点から中小企業設備リース事業を活用していくべきでありますが、併せて都の見解を求めます。


【定額給付金について】

定額給付金の具体的な実施については、国の第2次補正予算の成立を受け、既に区市町村へと、その舞台が移り、都民への給付金の総額は、試算すると約1880億円に上ります。

経済危機への対策として、企業への金融支援、雇用創出への取り組み、公共事業の前倒しなどが必要ですが、同時に家計部門への支援策が不可欠であり、その意味で定額給付金は重要です。また、施策の進め方を工夫することで、商店街など地域における消費拡大にも大きな効果が期待されます。

定額給付金の実施に合わせ、一定割合の金額を上乗せした「プレミアム付き商品券」の発行を予定している自治体や商工団体が増えています。そこで、この「プレミアム付き商品券」を計画している全国の状況と都内の状況について明らかにしていただきたいと思います。

商品券の発行には、さまざまな経費がかかります。こうした負担を少しでも軽減することで、発行に更に弾みがつくはずであります。つまり、これに「新・元気を出せ! 商店街事業」の補助を適用すれば、商店街の負担を軽減させ、給付金を活用した地域の消費拡大につながっていくと考えます。都の見解を求めます。


【雇用支援策】

東京の有効求人倍率は、平成20年2月の1.44倍から10カ月連続して減少し、12月には1.04倍となり、1倍割れも懸念される状況になりました。また、失業率も上昇しており、弱い立場にある障がい者や女性などの就職に、悪影響が出ると危惧されます。

都議会公明党は、昨年第4回定例会の代表質問において、障がい者や女性などに対する、雇用対策の充実に取り組むよう主張しました。

したがって、今回の平成20年度補正予算及び平成21年度当初予算には、その主旨が生かされているはずであります。そこで当該予算に盛り込まれた新たな障がい者並びに女性の雇用対策について、その内容を明らかにしていただきたいと思います。

特に、障害者雇用について都は、10年後に障害者雇用3万人増という目標を掲げ、福祉・教育・雇用の連携により、1年間で1万3000人増という高い実績を上げています。今後は景気状況が悪化する中で、障害者の雇用環境も極端に厳しくなる恐れがあります。

障がい者雇用対策の今後の取り組みについて伺います。

また、都は、先に「東京緊急対策2」を策定し、雇用対策の加速化を図ってきました。

特に、昨年12月の補正予算においては都が20万人、区市町村で30万人、合わせて50万人分の雇用を確保すると明示しました。

しかし未だ、その具体像がよく見えません。改めて都の20万人分の雇用確保について、答弁を求めたいと思います。

さらに、都は公共事業を前倒し発注することも明言いたしました。発注工事の全体像を明らかにし、中小企業支援の効果についても、見解を明らかにしていただきたいと思います。

また、今年1月の厚生労働省の公表によると、昨年10月から今年3月末までの期間で、非正規労働者等を対象に実施済みまたは実施予定のいわゆる「雇用止め」は、全国で約12万5000人、都内では2700人と上っています。県別では、愛知県の2万人余が突出し、東京都は全国で18番目となっています。

都はすでに、職業訓練の経費や訓練受講中の生活費等を支援する取り組みを開始しています。しかし、都内には、近隣のアパート等の一部を借り上げて社宅としている小規模事業所が多く、今後、中小企業の経営不安が一層深刻化していけば、都内でも居住不安が広がる恐れは十分にあります。

その点、都が21年度から実施する1000名の介護人材育成事業は、民間住宅の借り上げによる住宅支援を組み込んだものであり、高く評価できます。

つまり、今後は、定住の保障がなければ、就労支援事業も効果が出ない場合も想定できます。したがって、都は、居住という側面にも配慮した新たな就労支援策を検討していくべきと考えますが、都の見解を求めます。

就労促進に伴う住宅支援に関連して、都営住宅の適正な活用方法について質問します。

建替え予定の都営団地の空き部屋を、離職者住宅として活用するという意見がありますが、しかし、建替えを前提にその住宅から退去した居住者や、同団地に住む人たちにすれば、建替えが遅れることに対する大きな不安が生じることになります。

また、現在、空き家募集の倍率は全国で最も高く、繰り返し申し込みを行い、抽選に当たることを待ちわびている人たちが数多く存在します。

都民の共通の貴重な財産である都営住宅の活用のあり方については、多くの都民が納得できる明確なルールの下に進めていくべきと考えますが、都の見解を求めます。


【出産・子育て環境整備】

まず、分娩環境の整備についてであります。東京都の出生数は、この20年、年間10万人前後とほぼ横ばいで推移しているのに対し、分娩を取り扱う都内の施設は、平成2年に394施設あったものが、平成17年には半分以下の192施設に減少しております。これではとても、安心して出産できる状況とは言えません。

こうした事態に対応するため都は、地域の産科医院などの正常分娩施設と、ハイリスク分娩に対応する周産期母子医療センターの中間に、ミドルリスク分娩を担う地域医療機関として「周産期連携病院」を創設し、この3部門をネットワーク化するとしております。

しかし、正常分娩施設が今後も減少し続けると、ミドルリスク分娩施設、ハイリスク分娩施設への負担が増大し、その結果として、周産期母子医療センターなどが、十分機能しなくなる可能性があります。

そこで、こうした事態を未然に防止するために、「周産期連携病院」に対する必要な支援を行いながら、地域の医療連携システムの構築に取り組んで行くべきであります。併せて、この「周産期連携病院」を、医師の確保のための医師奨学金制度の対象施設とすべきです。都の見解を求めます。

分娩取り扱い医療機関の負担を軽減するには、妊婦の状況を的確に判断してリスクを軽減していくリスク管理も重要であります。妊娠初期から母体・胎児の健康管理をきめ細かに行うことによって、リスクを伴う出産の確率を低減させることができます。また、そうした分野の知識や経験が豊富な助産師の活用を積極的に推進すべきであります。そこで、院内助産所や助産師外来を実施する医療機関を計画的に増やすために、都の支援策を強化すべきです。見解を求めます。

一方、安全・安心の出産と密接に関係する妊婦健診について、助成制度の実現に取り組んできました。この度、公明党の強力な推進により、14回の公費負担に向けて国の妊婦健診臨時特例交付金制度や、都による妊婦健診支援基金が創設されます。

現在、都内でも14回の公費負担に至っていない区市町村がありますが、新年度から一律14回の公費負担が実施されるように、都として積極的に働きかけるべきと考えます。見解を求めます。

次に、待機児童の解消について質問いたします。

都は、「10年後の東京」において待機児童5000人の解消を目標として掲げ、20年度から22年度の3ヵ年で、従来の1.5倍のペースで保育定員の増大を図る取り組みをはじめましたが、それでも、待機児童の増加に追いついていない状況にあります。局面打開のためには、これまでにない思いきった施策が必要であります。

具体的には、区市町村や事業者が待機児童解消に取り組みやすくなるよう都の支援メニューを拡充することであり、また、都有地を活用して施設数の拡大を図るなど、ハード面の支援強化が必要です。さらに、家庭福祉員増員や、一度退職した保育士の発掘・再雇用、また研修の充実など、保育人材の確保策にも全力を挙げるべきであります。都の見解を求めます。

次に、感染症対策と乳幼児の予防接種について質問します。今、世界中を震撼させている新型インフルエンザ対策について、都は、平成22年度までに約800万人分のタミフル、リレンザを備蓄する計画を明らかにしました。

一方、従来の季節性インフルエンザの毎年の感染実態を見ると、抵抗力の弱い乳幼児から小中学生への感染率が顕著であり、新型インフルエンザにおいても、子どもたちへの治療薬の確保が急務であり、早急に対策を講じるべきです。

また、新型インフルエンザについては、子どもたちにも正しい知識と対策を学ばせ、感染拡大防止などを家庭でも話し合う機会を設けるなど、意識の啓発事業を積極的に推進すべきと考えます。併せて見解を求めます。

次に、感染症対策に関連して、インフルエンザ菌b型・Hib(ヒブ)対策について質問します。

小児細菌性髄膜炎を引き起こすHibは、せきやくしゃみなどの飛沫を介して血液や肺の中に入り込み、脳や脊髄を侵す恐ろしい細菌です。症状が乳幼児の風邪に似ているため見分けが難しく、早期の診断が難しいとされています。その上、治療が遅れると死に至ったり、重度の後遺症が残るなどの深刻な事態につながります。毎年、全国で約600名の子どもが発症しています。現在、世界100カ国以上で、この病気に有効なHibワクチンの接種が行われ、ヒブ髄膜炎は100分の1に激減しております。

ところが、日本では、このHibワクチンの接種が行われていません。わが国では昨年末、ようやくこのHibワクチンの販売が開始されました。これを機に、区市町村に対する補助制度に、このHibワクチン接種を組み入れ、併せて、その有効性について意識の啓発を行い、普及・促進に当たるべきであります。見解を求めます。

また、細菌性髄膜炎のもうひとつの原因菌とされる肺炎球菌や、季節性インフルエンザなども含め、広汎な感染症対策としての予防接種助成制度の拡充が望まれています。都は、予防接種事業を積極的に支援すべきであります。都の見解を求めます。

次に、子育て世帯への住宅支援について質問いたします。わが党は昨年9月の第3回定例会で、子育て支援策としての住宅政策の重要性を訴えました。

都営住宅においては、今後、昭和40年代に建設された住宅までを対象として建替事業が進展していきます。

そこで、今後の建替えにあっては、土地の有効活用を図る高層化に取り組み、現居住者の円滑な転居を優先しながらも、建替え後の住宅の一部を、子育て世帯向けの募集対象住宅として活用するべきです。都の見解を求めます。

都は、都営住宅の公募において、子育て世帯向けの期限付き入居の戸数を年々拡大し、平成20年度は、500戸としています。しかし、急激な少子化に対応するには、子育て世帯向け期限付き入居の公募戸数の拡大が急務であります。見解を伺います。

この期限付き入居申し込みにおいては、極めて高い都営住宅の入居申し込み倍率を考慮し、一般世帯向けの公募戸数に影響を与えることがあってはなりません。併せて、都の見解を伺います。


【高齢者支援策】

急性期を脱した後の医療施設として、都は、療養病床を現在の2万1033床から平成24年度末までに2万8077床へ7000余りを増床する目標を掲げ、一般病床から療養病床への転換に対する施設整備費補助を行っているところであり、評価します。

加えて、急性期を脱した後の都民の選択肢を確保する上で、在宅医療体制の整備が喫緊の課題であります。

平成18年の「保健医療に関する世論調査」では、約半数の都民が、在宅療養を希望していますが、その8割は容態急変時の対応が困難との理由から、実現は難しいとしています。そのため容態急変時の対応の手段を地域で確保するとともに、容態安定後には速やかに在宅に戻れるようにする在宅医療基盤の整備が何よりも重要となります。

そこで、地域において在宅医療を担う医師や訪問看護師による連携、そして、緊急一時入院先である身近な病院と在宅医療スタッフ側との連携を進め、都民が安心して在宅療養生活を送れるようにすべきであります。都の見解を求めます。

同様に、安心して高齢者の方が在宅生活を送るためには、地域の中での「見守り」や「声かけ」が不可欠であり、そのための日常的なシステムを構築する必要があります。その意味では、世田谷区で厚労省が実施したモデル事業「24時間あんしんコール」事業が有効であります。

東京は今後数年で、人口の4人に1人が高齢者となり、一人暮らし高齢者や高齢世帯も急増することが予想され、こうした方々が安心して暮らせる体制の整備が急がれます。

これは本来、区市町村が行うべ事業ですが、都としても積極的に支援すべきであります。都の見解を求めます。

また、こうした一人暮らし高齢者などに対する支援は、地域住民やボランティアで対応できる部分が少なくありません。

そこで、一人暮らし高齢者などの支援については、地域住民の支え合い機能を高めていくよう、地域のボランティアの積極的な活用を図っていくべきです。都の見解を求めます。

次に、公社住宅における高齢者支援策について質問いたします。

高齢者が申し込む公社の一般賃貸住宅の空き家募集は、比較的に低い家賃の住宅が多いと言われています。ところが、低家賃の公社住宅の殆どは、構造上エレベーターを設置しにくい「階段式」住宅となっています。当然、こうした「階段式」住宅の空き家募集においては、1・2階の低層階に人気が集中します。高齢者、障がい者、長期疾病患者、さらには妊婦や幼児を家族に抱える家庭は、より一層、切実に低層階への入居を希望していますが、その希望はなかなかかなえられません。

そこで今後、東京都は、階段の昇降が困難である世帯については、新規申し込み、あるいは既入居の別を問わず、公社住宅の空き家募集において、優先的に低層階への入居が可能な制度を検討すべきですが、見解を伺います。


【障害者自立支援法について】

自立支援法は、3障害の一元化、就労支援の強化や地域生活の促進、サービスの利用の手続きや基準・負担の透明化、そして国の財政責任の明確化などが目的の制度であります。しかし一方で、負担の応能性やサービス提供事業者の経営安定への配慮、障害区分判定の適切性などの点で、改善の必要性が指摘されています。

自立支援法の抜本改正は、早ければ今通常国会でも予定されています。都は、昨年に実施された負担軽減策の恒常化など、改善点をとりまとめて、国に強く申し入れるべきであります。見解を求めます。

また、障害者福祉の現場では、人材確保のためにも賃金水準の引き上げが課題です。その点、21年度の国の予算案で、サービス報酬が平均5.1%増額されたことは評価できます。しかし、これは、サービス内容の質的向上を導くインセンティブとして設定されたもので、基本単価自体はあまり増えていません。このままでは、大都市の実情を反映した障害福祉サービス従事者の賃金改善につながらない恐れが生じています。

したがって都は、22年度予算以降も引き続き適切にサービス報酬の改定が実施されるよう、具体的な改善項目を取りまとめ、国に提示するべきです。見解を求めます。

障害区分判定の在り方は、障害種別特性への対応など解決すべき課題が多く、障害福祉の現場からは、拙速な改正は、柔軟な対応や工夫が阻害されるとの危惧が聞かれます。たとえば、調査項目が何百項目にも膨れ上がり、審査過程の複雑化を招いてしまうことや、障害区分の細分化が進み、障害区分と利用できるサービスが結びつかなくなることへの懸念があります。同じ内容の障害でも、生活環境の相違によって、障害者が必要とする支援内容は大きく異なります。その意味では、障害者が生活環境の中でどのような支援を必要としているのかを的確に把握し、それによって利用できるサービス内容を決定できる仕組みを目指さなくてはなりません。都は国に対し、利用者がその個別性に応じてサービスを選択できる仕組みへの転換を求めるべきと考えますが、見解を求めます。


【環境対策について】

都は、大規模CO2排出事業所に対して削減義務を課し、一方、家庭に対しては太陽エネルギー利用機器設置に補助金を出して、普及に努める方針です。

こうした都民や事業者への働きかけを行う上で重要なことは、都庁自らも率先して省エネルギー・再生可能エネルギーの導入を図ることであります。都は平成19年5月に「省エネ東京仕様2007」を定め、今後、施設の建設、改築などの場合には、省エネ建築・設備を標準仕様として採用していくこととしましたが、これに加え再生可能エネルギーに関しても、都は、具体的なルールを定めるべきと考えますが、見解を求めます。

次に、中小規模事業所に対する地球温暖化対策報告書制度についてであります。

事業者、特に中小企業の間では、都の制度に対応しようとしても、その方法が分からない、といった声がよく聞かれます。特に、中小規模事業所の報告書制度は、全く新たに開始される制度であり、制度の内容についての丁寧な説明が必要であります。

中小規模事業所に対し、省エネ支援策の内容も含め、新制度の周知を進めるべきであり、さらに中小企業の問い合わせに対応するワンストップの相談窓口を検討すべきであります。見解を求めます。

次に、自動車部門の温暖化対策について質問いたします。

地球温暖化対策を進めていくうえで、自動車から排出されるC02の削減を図ることは重要です。

都では、これまで、低公害車の普及を図ってきましたが、今回提案されている条例改正案では、低公害性に低燃費性の観点を加えた車両の導入促進を図ることとしています。

今年の夏以降販売が予定されている電気自動車やプラグインハイブリッド車は、これまでの車に比べCO2の排出が格段に少なく、環境性能に優れています。しかし、その走行性能等について十分に周知されておらず、走行距離に不安があるなどの声もあります。さらにユーザーが安心して使用するためには、充電設備などの環境整備が不可欠であります。

こうした観点から、次世代車の普及に向けては、実用性を周知するとともに急速充電設備を設置するため新たな支援策が必要と考えますが、都の見解を求めます。

次に、エコポイントシステムについてであります。次世代車の普及とともに公共交通機関の利用を促進することは、環境負荷低減の取り組みとして有効です。そこで、都営地下鉄やバスに「エコポイントシステム」の導入を図るべきです。

たとえば、平成19年3月の導入開始以来、既に多くの都民に普及しているICカード「PASMO」を活用して、都営地下鉄やバスの利用時にポイントを付与し、貯まったポイントを再び公共交通の利用に充てられるようにしたり、あるいは自然保護や環境保全に貢献できるような仕組みがあれば、都民の環境配慮行動への大きなインセンティブとなります。そこで、都営交通における新たなICカードを活用したポイントシステムの導入を求めたいと思いますが、都の見解を求めます。


【豊洲新市場問題について】

技術者会議が報告をまとめる直前に、発がん性物質のベンゾ(a)ピレンが高濃度で検出されたことや、新たな地層データを公表していなかったと報道され、都民の不信感をあおったことは、極めて残念であります。まず、この問題について、事実経過と汚染土壌処理に与える影響について明確な答弁を求めます。

わが党は、移転問題を原点に戻って検討するためPTを設置し、これまで、築地市場を初め、新市場予定地、他の移転候補地、重層構造の大阪中央卸売市場、2か所の土壌洗浄プラント事業所、中温熱処理プラントなどを訪れ、実態を調査しました。

そこで、明らかになったことは、まず営業を続けながらの現在地再整備は、かつて一度断念した経緯があることに加え、アスベストの処理や、20年にも及ぶ工期の長期化、工事に不可欠な種地の確保が困難、などの問題が明らかになりました。

また財政的には、移転跡地の売却収入を見込むことができず、財源の市場会計内での処理が不可能であり、新たに600億から700億円単位の税の投入が必要になってまいります。

次に、40ha以下の土地での新市場整備では、必然的に市場は重層構造となり、導線が複雑化して、短時間に集中する荷捌きが不効率となります。さらに建設費とランニングコストの上昇が市場利用料にはねかえり、仲卸を初めとする業者の経営を圧迫することが明らかとなりました。

こうした調査・検討の結果からは、移転を前提とした新市場の整備が合理的であり、財源の手当ても、市場会計内ですべて処理が可能で、新たな税の投入も必要なく、納税者の納得も得られやすいと判断できました。

したがって検討すべき課題は、移転候補地である豊洲の汚染土壌の問題に集約されます。さらに要約すれば、技術者会議が選定した処理工法が適切であるのかどうか、処理コストはいくらかかるのかが、焦点となります。公明党のPTの議論も最後はそこに絞られました。

しかし考えてみれば、これはあくまで専門的な学者、技術者の知見に依存すべき事柄であり、その意味で専門家会議と技術者会議の検討と結論を尊重して議論すべき性質の問題です。「食の安全」を確保する上でも、専門家の知見は不可欠です。

技術者会議の報告は、まずコストについては、当初の670億円から80億円以上、縮減可能としています。処理方法については、既に施工例のある微生物処理、水処理、中温熱処理等で汚染除去を行い、地下水についても全て汚染処理する方針を示しています。

こうした技術者会議の報告を尊重したいと考えておりますが、我々はむしろ、移転か否かの入口の議論に終始するのではなく、今後、少なくとも50年以上は使用する市場には、一体どのような機能を付与すべきであるのか。

あるいはまた、首都圏3000万人の食生活を支える新市場は、その立地・機能を含めどうあるべきであるのか。さらに、世界最高水準の多様な食材を集める新市場から、どのような市場の文化、食の文化を発信するのか、といった議論こそ、この都議会で展開すべきであると思います。

さらに付け加えるならば、供給の主体者である卸・仲卸などの業者の方々が、いかにスムーズに新たな市場での営業を継続できるのか、そのための方策は何かといった議論が必要であると考えております。そうした議論を積み重ねた上で、都は新市場の整備方針を固めていくべきであります。

改めて、都の築地市場の現状に対する認識と新市場整備に関する基本的な考え方、さらには、新たな食の文化、市場文化の発信、にぎわい創出等について、都の見解を求めます。


【新銀行東京の再建について】 

今月17日、新銀行東京は、開業後2年間の経営悪化に対する旧経営陣の法的責任及びその責任追及について、外部専門家の調査報告を発表しました。そこでは、仁司(元)代表執行役及び丹治(元)執行役に関し、危機的なデフォルトを発生させる経営上の原因を生じさせ、しかも、それに対する抜本的な対策を講じなかったとして、会社法における重大な善管注意義務違反に当たると認定いたしました。これを受けて、新銀行東京は、この両氏に対して、民事上の損害賠償請求訴訟の提起を取締役会で決議しました。ようやく公表された調査報告書においては、訴訟の時期、賠償請求額には触れておりません。度重なる我が党の質問に対し、昨年末までには調査結果をまとめるとしながら、遅れに遅れて出てきた報告がこれでは、画竜点睛を欠くと、言わざるを得ません。再度、旧経営陣の責任追及に関して、知事の見解を求めます。

今回の調査結果では、詐欺的な要素が認められる融資が存在すると指摘し、その場合は、融資先及び元従業員等に対する個別的な法的措置等を検討すべきであるとしていますが、これについても新銀行東京は、今後の対応を明確化し、都民に提示すべきであります。都の見解を求めます。

今回の経営責任の追及の範囲は、約1000億円の累積損失の内、不良債権処理費用345億円分についてのみであります。しかし損失の発生の原因は、それだけではありません。発足当初、新銀行東京は、システムの開発に莫大かつ過剰な経費を投入したと各方面から指摘されており、既に公表された決算書からも、そのことが十分に類推できます。こういった不良債権処理以外の累積損失についても分析を徹底して行い、必要に応じて法的措置をとるべきであります。都の見解を求めます。

次に、新銀行東京の平成21年3月期の第3四半期決算について質問いたします。

新銀行東京は、厳しい経済環境の中、中小企業者支援の積極的な営業活動を展開した結果、中小企業に対する営業実績が第2四半期の38億円に対し、第3四半期は120億円と、およそ3倍に伸ばしたと発表しています。従って、再建計画より、純利益は28億円、純資産は50億円、上回りました。

今後はさらに経済環境は厳しくなると予想され、平成21年3月期決算は、再建計画どおりの結果となるのかどうか、不安視する向きもあります。そこで、新銀行東京の経営の監視と支援を行っている都として、平成21年3月期決算の見通しを明らかにし、併せて、そのための経営監視の体制を強化すべきであります。都の見解を求めます。

都議会公明党は、新銀行東京の再建計画を着実に進め、黒字化した後に、譲渡もしくは業務提携により、追加出資の400億円を回収、あるいは保全すべきであることを改めて確認しておきます。


【オリンピック招致について】

招致実現に向け今まで以上に、国内世論の盛り上げが不可欠であります。そのために、オリンピックの魅力を体感できるイベントなども必要であります。たとえば、オリンピックやパラリンピックに出場した選手たちと都内の子どもたちが炬火(たいまつ)リレー・聖火リレーを行うなどのイベント、ムーブメントも検討すべきです。子どもたちが参加しての招致活動について都の見解を求めます。

さて、最近、オリンピック招致に対する期待の声が高まっております。メディアは連日、不況の深刻化を伝え、国の内外にわたる閉塞感、不安感が募っています。そこに、一点の光明をともすものこそオリンピック招致の実現であると言えます。私は、都の教育委員を務めるマラソンの瀬古利彦氏が、議会を訪れて「私は、オリンピックにあこがれて、マラソンでオリンピックに出場ことができた。同じ夢と希望を、今の子どもたちに是非、与えて下さい!」と強調されてことが忘れられません。社会総体のエネルギーを増進させる有効な方策の一つが、文化でありスポーツであります。その意味でオリンピックは、まさに象徴的な人類の財産であり、それを再び日本に招致することは、矮小な政治的思惑を超えた価値があります。

大変に困難な戦いでありますが、その先頭に立つのが知事であります。何としても乾坤一擲の勝負を賭け、招致レースに勝ち抜くとの意気込みを示していただきたいと思います。開催都市決定まであと200日あまり。招致実現に向けた知事の決意を求めます。

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