こちらでは都議会定例会の報告等をいたします。

平成20年《第4回定例会の報告》

東京都議会は12月2日から開催され17日に閉幕になりました。アメリカ発の金融恐慌は全世界に波及しています。100年に一度とも言われている世界を覆うこの暗雲に対し、如何にスピード感をもって対処するかにかかっている事は言うまでもありません。国として雇用対策など今緊急に手を打つべき事、東京都として対策を打つべき事は何かが今問われているのであります。先の第三回定例議会では都議会公明党を代表して私が代表質問に立ち、緊急の景気対策を講じるべきと質したのを受けて都は年長フリーター対策をはじめ1000億円に及ぶ補正予算を組み直ちに実行に移しています。しかしながらその後の金融恐慌は世界各地の沿岸にまで大津波が押し寄せるなど我が国をはじめ世界各国での経済は先進国のみならずBRICs(ブラジル・ロシア・インド・中国)といわれる国をはじめ後進国に至るまでその実体経済は一層の厳しさを増しています。さながら出口の見えない世界同時不況のトンネルに入った感が致します。こうした状況を受けての今回の第四回定例会でした。定例議会が始まる前にとの考えから都議会公明党は私を先頭に東京都に対し「厳しい経済環境から都民生活を守る対策の実施を求める緊急の申し入れ」を行うなど先の定例議会に引き続き先手を打った都の経済対策を強く要請をしたのであります。我が党この要請に応える形で都は直ちに「東京緊急対策2」を発表。500億円強の第二次補正予算を議会に提出をしたのです。こうした経過の中で開かれた第四回議会でした。12月9日、10日の両日に代表質問及び一般質問が行われました。そこで都議会公明党が行った、主な質疑をQ&Aの形で紹介します。

【中小企業の資金繰り支援策】

Q 当座の運転資金を必要とする企業のため、都が独自実施している「つなぎ融資」を大幅に拡大すべき。また、機械設備等を担保とする新たな融資制度を創設すべき。

A 緊急に必要となる決済資金等の資金繰りに窮する中小企業を支援するため、「クイックつなぎ」(3営業日以内で行う融資メニュー)の融資限度額を拡大していく。また、車両や工作機械などの動産を担保とする融資は、小規模企業者が従来に増して資金調達を可能とする有効な手法であると認識。制度の可能性について検討を進める。

【周産期医療の確保策】

Q NICU病床数の少ないブロックを中心に、周産期母子医療センターや周産期連携病院における増床に向け、予算や人員確保など積極的に支援すべき。

A 東京都周産期医療協議会において、地域を越えた医療機関の支援の仕組み等について検討を行っていく。

Q NICUの常時満床状態を緩和し、受入れを可能とするには、医療的ケアが必要な新生児の容体が安定したらNICUから継続的な医療や看護を行う後方病床に移行し、退院後には療育ができるという全体の流れを見据えた体制整備を行っていくべき。

A 今回の緊急対策において、周産期母子医療センターの後方病床の看護体制を充実し、急性期を脱した子どもが後方病床において円滑に受け入れられる体制を整備することとした。今後、NICU入院児の円滑な退院、その後の療育に結び付けるための検討を進める。

Q 都は先頃、小児や周産期医療に従事する医師を確保するため、医師奨学金制度を創設したが、この制度を更に拡充して産科や新生児科等の医師を確保する体制を整えるべき。

A 医学生が医師としての将来の進路を見定める時期である五、六年生を対象とする新たな奨学金制度について検討していく。

【新型インフルエンザ対策】 

Q 新型インフルエンザ対策について、過密都市東京ならではの「感染拡大防止策」の強化が必要。都の「対応マニュアル」の見直しを図るべき。

A 感染拡大防止に関する国のガイドラインの改定状況等を踏まえ、対策会議での検討を精力的に進め、マニュアルの見直しを行っていく。

【療養病床の拡大策】

Q 療養病床にかかわる看護師等の人材育成・確保策に向け、医師同様に勤務環境改善が必要。平成24年度末までの28,077病床という都の目標達成に向け積極的に取り組むべき。

A 看護職員が妊娠、出産、育児を迎えても離職することなく、引き続き働き続けられるよう、短時間正職員制度を導入する300床未満の中小病院に対する支援策について検討していく。

【中学3年までの医療費助成】

Q 中学3年生までの医療費助成について都議会公明党は、市町村の財政に支障をきたすことがないよう必要な措置を講ずることを求め、知事に緊急要望した。都として、必要な財政支援を行うべき。

A 都議会公明党や市長会、町村会などからの緊急要望も踏まえ、都として、市町村財政に支障をきたすことがないよう必要な措置をとっていく。

【児童養護施設の人員配置】

Q 児童養護施設の職員配置について、被虐待児童のためにも都が独自に職員配置を手厚くすべき。

A 日常生活についても、よりきめ細かなケアが行えるよう、今後、専門機能強化型施設に手厚い職員配置を行い、虐待を受けた子どもへのケアを充実する体制づくりを積極的に検討していく。 

【盲ろう者支援について】

Q 盲ろう者に対する支援拠点を全国に先駆けて設けていくべき。

A 盲ろう者の特性や置かれた状況に応じた的確な支援を重点的に行う必要があると考えており、ご提案の都における支援の拠点の設置について早急に検討していく。

【大麻汚染対策】

Q 若者を大麻汚染から守るためには、普及啓発から取締りまで、関係機関が連携した取組が必要と考えるが。

A 都として、今後、国に対して、大麻に関する法規制の強化を強く求めていくとともに、学校や警察などの関係機関と連携しながら、大麻の有害性、危険性を訴え、薬物乱用の根絶に全力を尽くしていく。

【エコポイントの導入】Q エコポイントを都の施策と組み合わせて、施策推進のインセンティブとして活用していく具体策を検討すべき。A 環境配慮の情報が表示された商品が消費者に選択され、広く使われるよう、普及促進策の一つとして、エコポイントを導入し活用していくことを検討していく。

【老朽マンションの建替え支援策】

Q 都議会公明党の代表質問に対し、都は初のマンション白書の作成を明らかにしている。この白書に有効な建替え事例を取り上げ、老朽化したマンションの建替え対策を進めるべき。

A マンション建替えの検討に当たっては、先行事例を参考にすることが有益であり、都内の建替え事例等をマンション白書で紹介するなど、円滑な建替えに向けて支援をしていく。

【都営住宅の家賃改定問題】

Q 国による公営住宅の入居収入基準の改定を機に、都独自の激変緩和策の詳細を明らかにするとともに、特別減額措置を講じている母子・心身障害者などの世帯について、家賃負担の激変緩和対策を講じるべき。

A 都としては、家賃改定による引上げを1年間延ばすこととする。また、5年間で段階的に引上げを実施する国の経過措置を講じてもなお負担の変化が大きい、収入区分が2段階上昇する世帯においては、この期間を7年間に延長するとともに、建替えが伴う場合は、最長11年間の経過措置を講じる考えである。一方、母子世帯等を対象とする特別減額については、収入基準ごとに、減額率を5年間かけて段階的に引き下げていく措置を考えていく。

【新銀行東京の中間決算】

Q 新銀行東京の中間決算は、金融庁の検査結果を全て反映した数字か。また、400億円の追加出資は棄損されたのか。

A 金融庁の検査結果については中間決算に全て反映されている。純資産においても計画を上回る479億円が確保されており、400億円の追加出資は棄損されていない。

【東京オリンピック招致の経済効果】

Q 都が試算した東京五輪招致の経済効果の根拠を明らかにし、説得力をもってアピールしていくべき。

A 経済波及効果の試算は、競技施設や選手村などオリンピック関連施設の資本投資を約4,900億円、大会運営費及びテレビやライセンスグッズの購入、宿泊など消費支出を約7,800億円、合計で1兆2,700億円の需要増加額を見込み、東京都産業連関表により算出した。これらの需要増加は、開催地にとどまらず、日本全国で個人や中小企業の方々にも波及して、生産を誘発し、雇用創出効果をもたらす。その結果、東京では、需要約1兆6,000億円、東京以外の地域では約1兆2,000億円、全国で需要増加額の2.2倍の約2兆8,000億円の経済波及効果がある。



一般質問から

【新卒者の採用内定取り消し問題】

Q 深刻化する新卒者の採用内定取り消し問題について、内定を取り消された学生を都が強力にバックアップすべき。

A 東京労働局など関係機関の協力を得て、特別相談会を開催する。

【がん緩和ケア研修】

Q がん医療の一環として導入が進む医師緩和ケア研修について、必要度の高いところから重点的かつ計画的に進めるべき。

A がん診療連携拠点病院や在宅医療を行う診療所などの医師に対して、重点的に実施するなど、計画的に進めていく。

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