平成16年第1回定例会の報告

 都民の向こう1年間の暮らしぶりの行方を決めるための都議会第1回定例議会が、さる2月25日(水)から3月30日(火)までの日程で開かれ、都議会公明党は都民の立場から、第二次財政再建推進プラン1年目の都財政問題、来春開業予定の新銀行問題にかかわる課題、とりわけ個人保証の免除問題など、景気・雇用問題を中心とする中小企業問題、体感治安の向上をはかるための治安問題、福祉・教育問題などなど都民のかかえる様々な課題を取り上げ石原知事をはじめ都側に質しました。

 また、鈴木貫太郎都議は公営企業委員会委員長、予算特別委員会委員として16年度予算の審議に全力で取り組みました。とりわけ、3月15日(月)には、予算特別委員会の論戦に立ち(*別項参照*)石原知事に質問。鈴木質問は翌日の各紙で大きく取り上げられ、さすが鋭い質問だと高い評価を得ました。鈴木質問を取り上げた新聞は、質問当日の「日経=夕刊」、翌日の「朝日・毎日・東京・産経」各紙と「都政新報」です。

----- 16年度予算に対する私の見解 -----

 ここに来て景気はようやく回復の兆しに入ったようですが、16年度に於ける都税収入を見ますと15年度から引き続き4兆円を下回る低水準で推移しています。

 こうしたなかで編成した16年度予算は歳出総額5兆7、080億円、対前年比0・4%減、しかも政策的経費である投資的経費についてみるならば一般歳出で4兆2、214億円、対前年比1・2%減という緊縮型予算であります。

 しかしながら、こうした厳しい財政状況下であっても 1.治安の確保 2.中小企業にかかわる各種の支援策 3.景気・雇用対策 4.福祉・医療の充実 5.都市再生の問題 6.環境対策―など都政の抱える緊急かつ喫緊の課題に対し財源を優先的に配分しており、なかでも福祉と保健の分野に於ける予算配分では我が党の要請を受け、予算全体への構成比にも配慮するなど、高く評価します。例えば、介護予防推進モデル地区重点支援事業、市町村地域保健サービス推進事業、不妊治療の助成事業、特別支援教育のモデル事業の実施などの新規事業に取り入れられるなど、都民にとってキメ細やかで且つ目配りされた16年度予算であります。

 更に付け加えるならば、16年度予算は「第二次財政再建推進プラン」の初年度にあたるもので、都の姿勢が問われていましたが、1、444人の職員の削減、退職手当の見直し、管理団体の改革といった「内部努力」にも積極的に取組んでいる事を考えても、我が党が一貫して主張してきた行政の無駄排除の視点とも合致するものです。これらに留まらず、事務処理のアウトソーシングの推進や徹底したコストの削減など、なお一層の徹底した内部努力を求めるものです。

 地方税財政制度改革では、基幹税である所得税の税源移譲にもその道筋がついたとは言うものの、本来のあるべき税源移譲とは程遠い感がし、国に対してこれまで以上に強く働きかけていくべきであります。今後とも都財政を取り巻く環境は不透明かつ予断を許さぬ状況にあり、都民の期待に応えられるよう、全力を尽くすべきであります。


■■■■ 主な論戦の結果について ■■■■

 

◆◆◇◇新銀行・東京問題について◇◇◆◆

個人保証―都が免除を検討

*「原則として不要にする」(知事)

*融資額の2%の保証料を想定

 来春開業される「新銀行・東京」問題については、これまでのケースとして中小企業者が融資を受ける場合、多くの金融機関が、第三者による個人保証を求めているが、新銀行の場合には個人保証をなくすべきとの立場から、石原知事の見解を質しました。

 この提案に対し、石原知事は「新銀行は、第三者保証を原則として不要とする。経営者の保証を求める場合でも、その責任を合理的な範囲に限定する。(略)個人保証を解除する仕組みを都独自に検討したい」との方針を明確にしました。

 更に、都は、個人保証の解除の仕組みについては、新たに設立する 信用保証会社に、融資先企業の経営者が保証料(融資額の2%程度を想定)を出資する事を条件に解除すると、答えました。


----- 治安対策について -----

公明の提案を受け

**竹花副知事「安全・安心アカデミー」を創設へ**

 治安対策問題で 1.地域防犯活動の中核として活躍できる人材を育てるべき 2.治安対策関連の予算が不足する場合には、補正予算の編成をも視野に入れるべきーなどと主張。

 担当副知事である竹花副知事からは、公明党の主張を受け入れ「例えば安全・安心アカデミーと呼べるような制度を創設したい」と述べ、石原知事は、今年度の治安関連予算の基本的性格について「財源を重点的に配分した予算だ」と、都民の安心・安全を目標に編成した予算である事を強調しました。

----- 震災対策について -----

◆島しょ地域の津波対策の早期実施

◆長周期地震動への安全対策を急げ

◆耐震化のためのシステムの構築を

◆公共施設の耐震診断と改修を急げ

 公明党は 1.島しょ地域の津波対策と総点検の実施 2.日本土木学会が長周期地振動で都心の超高層ビルが大きな被害を受ける可能性があると予測している事から、そのための対策 3.耐震診断から補強工事までの一連の耐震化システムの構築 4.小中学校、福祉の諸施設、医療の各施設など公共施設への耐震診断と改修―などの対策を急ぐべきと主張。

 都市計画局長は「東南海・南海地震の防災対策推進地域として指定された八丈町・小笠原村については本年6月を目途に防災計画を策定する」事を明らかにするとともに、耐震問題については、関係各区市町村との連携を積極的に図っていくと、答えました。

----- 障害者施設対策で多彩な提案! -----

1. 新音声誘導システム・・・

 視覚障害者向け音声案内システムの開発のため 1.都営地下鉄を利用すべき 2.その場合多くの視覚障害者の参加を求めるべきーと都の対応を求めました。

 都交通局長はこの要請を受け入れ「都営地下鉄駅構内をシステム構築実験の場に提供したい。都の障害者団体を通じて視覚障害者への参加を呼びかけていきたい」と答えました。

2. 支援費制度と都の責務・・・

 障害者の支援費制度について、区市町村がこれまでのサービス水準を維持する上で、今後決定される国庫補助の配分額で必要額に不足が生じる場合、都は財政支援を行う必要があると主張しました。

 都福祉局長からは「創設された支援費制度を区市町村が安定的に運営していくには、国及び都道府県による確実な財政支援が不可欠。都は都道府県としての責務を果たしていく」との決意を述べ、方針を明らかにしました。

3. 養護学校の教室不足・・・

 都立養護学校の教室不足が問題になっており、そのために1つの教室内で3〜4グループの授業が行われているケースもあり、その改善策が急がれています。

 都教育長は「学校によっては教室の間仕切りや管理者室の転用、教室の増築などを実施する」「都立高校改革で閉校となる高校を活用するなどして、養護学校の教育環境の改善に努める」と明確に答えました。

4. 家賃助成制度の拡充・・・

 他の都市に比較し物価や家賃が高いという東京の地域特性を踏まえ、都が実施している「生活寮」への一層の家賃助成拡大を要望。

 福祉局長は「来年度には家賃助成の所得算定において、新たに基礎控除を認めるなどの改正を行う」との方針を示すとともに、「この制度の適用を受ける事で、助成の対象者は約37%から約59%に拡大する」との見通しを明らかにしました。


----- 夜間中学校の充実を!! -----

 夜間中学校は現在、中国の残留邦人をはじめ長期滞在の外国人が日本語などを学ぶ場として重要な役割りを担っている事を踏まえ 1.夜間中学校の一層の充実 2.外国人に対する日本語教育システムの構築 3.教師などの特別な人的加配-などについて速やかな実現を求めました。

 都教育長は「夜間学級については今後、日本語を指導するという専門性を考え、力ある優秀な人材を非常勤講師として活用するなど、生徒の実態に応じ学校が創意・工夫できるよう、設置者である区市とも協力し指導体制の充実に努めていく」と答えました。

 

 なお、鈴木都議は都議会公明党が代表質問でこの問題を取上げるに当たって、 映画・夜間中学で全国にその名をはせた地元の荒川九中を視察し、校長先生をはじめ関係者と懇談しました。

  

----- 児童虐待対策の拡充を -----

1.子どもの安全確保を最優先する施策を

2.児童委員との連携でキメ細かな取組を

3.学校も虐待の早期発見・通告に対応を

 心痛む残酷な児童虐待が後を絶ちません。都議会公明党は東京のこれまでの取り組みを踏まえ、定例会において様々な観点から提案・要請を行いました。

 石原知事は「(児童虐待問題は)待ちの姿勢ではなく、躊躇せずに早期発見・早期対応などを踏まえながら、総合的な取り組みをしていく」と決意のほどを力強く披瀝しました。

 また、福祉局長からは「援助の必要な児童の情報を早期につかみ、より迅速果敢に対応出来るよう民間の相談・支援機関と児童相談所が連携する仕組みをつくっていく」「来年度に主任児童委員や新任の児童委員を中心に、専門的知識の付与と具体的なケーススタディを含めた研修を1千人規模で実施する」と答弁しました


----- 東京港の機能強化を -----

1.水先案内の改革を

 東京港の水先案内料は、韓国・釜山港の約6倍であり、国際化の波にのれないのが実情。

 港湾局長は「都からの要請を受け、国に水先制度に関する懇談会が設けられた。国際競争力強化に向け国に対し、改革を求めていく」と答えました。

 

2.外国客船の誘致を

 客船の誘致は、乗船客の寄港地での観光など波及効果も高く、客船誘致に全力を挙げるよう提案しました。

 港湾局長は「東京港を日本のみならず東アジアクルーズの玄関口となるよう積極的に取り組む」と答弁しました。

鈴木都議の総括質疑の内容をこちらからご覧頂けます。